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11月24日(日)「三鷹オスカー 一日だけ、復活!! 第5弾/映画史に残る名コンビ、洋画の巨匠と男優編」

映画祭レポート

 最終日は「三鷹オスカー 一日だけ、復活!!」の第5弾。今回はじめて当映画祭にお越しくださった方は、「第4回 三鷹コミュニティシネマ映画祭」なのに、この企画が「第5弾」なのに疑問を感じられたかも知れませんが、当映画祭が始まるきっかけが2010年に1日だけ開催した「三鷹オスカー 一日だけ、復活!!」であり、その成功を受けて始まったから数字にずれが生じているのです。
 はじめての方のために、今一度この企画についてお伝えをすると、現在の三鷹駅南口のショッピングビル、コラルの1階、コージーコーナーさんの辺りにかつて、「三鷹オスカー」という名画座がありました。残念ながら1990年に閉館してしまったのですが、独特な組み合わせの三本立てを毎週上映して人気を博していた劇場で、ここで映画を見るためだけに千葉県や神奈川県からはるばる三鷹に来る方も多かったのです(下記「らいんなっぷ」参照)。この劇場には、現在の映画界を代表する錚々たる方々が通っていました。前日にご登壇いただいた金子修介監督と弟の二郎さん、そして金子修介監督の『毎日が夏休み』を褒めていたとトークで話題に上った故・伊丹十三監督、第2回の当映画祭に来てくださった押井守監督、それに『トウキョウソナタ』(2008年)が第61回カンヌ国際映画祭審査員賞を受賞したほか世界の映画祭に必ず作品が招待される黒沢清監督など・・・。
 その三鷹オスカーで番組編成をしていたのが鶴田浩司さん、そして実弟の鶴田法男さんはテレビ『ほんとにあった怖い話』、映画『おろち』などで活躍する映画監督であり、お二人には当映画祭のアドバイザーとして活躍いただいています。
好評だった「生オーディコメンタリー」
貴重な作品を35ミリフィルムでご覧いただきました。
 三鷹オスカーは娯楽作品からアート系の作品まで映画好きをうならせる作品の組み合わせで映画を上映していました。そこで今回は「映画史に残る名コンビ、洋画の巨匠と男優編」と題してアンドレイ・タルコフスキー監督、エルランド・ヨセフソン主演『サクリファイス』(1986年)とジャン=リュック・ゴダール監督、ジャン=ポール・ベルモンド主演『勝手にしやがれ』(1960年)の組み合わせとなりました。この組み合わせは「三鷹オスカー 一日だけ、復活!!」だからこそ出来たと自負しています。
 タルコフスキー監督は1972年のSF『惑星ソラリス』ほか、作品がことごとく世界的評価を得たソ連(現・ロシア)を代表する巨匠です。しかし、1986年に54歳で早世し生涯に9本の映画しか残しませんでした。その中で『ノスタルジア』(1983年)に続いてこの『サクリファイス』で2本も出演した俳優がエルランド・ヨセフソンなのです。
 一方の『勝手にしやがれ』は、ゴダール監督と主演のベルモンドがその後3本の作品を作るきっかけとなった作品です。それまでの映画文法や常識を打ち破ったまったく新しいスタイルの映画を確立したヌーヴェル・ヴァーグの傑作であるのは、あらためて記すまでもないでしょう。
 両作共に非常にアーティスティックな作品なので、地上波、衛星を含めてテレビではなかなか放映されず、デジタル化もされていないので、シネコンでは観られない貴重な作品です。実は、35ミリフィルムでしか観られない優れた作品がたくさんあるのです。
 さて、この2作の合間には、今年立ち上がった「三鷹フィルムコミッション」の紹介もされました。三鷹でも映画やドラマのロケ撮影に全面的に協力する体制ができたことは喜ばしいことです(下記サイトを参照)。
 今年は映写機を購入し、自分たちで上映するという試みをはじめたことを様々な新聞や雑誌、ウェブマガジン、それに地元のケーブルテレビや広報紙誌が取り上げてくださり、話題になりました。来場された方々が、映写機を嬉しそうに、または懐かしそうに眺めてくださり、中には記念写真を撮っていく方もいらしたのが印象的でした。
映画祭の実行委員とボランティアスタッフ
映画祭の実行委員とボランティアスタッフ
 また、映画祭のボランティアスタッフも増え、大学生や主婦、会社員など延べ18人の方がお手伝いくださいました。実行委員とボランティアスタッフが力を合わせ、「おもてなし」の心を大切に、アットホームな手作り映画祭を盛り上げました。
 映画祭を楽しんでくださった方からは「こころなしか、映画館で観るより映画を楽しめた気がします。」というメッセージもいただきました。さまざまな人が「映画」でつながり、大きな輪が広がってきていることは嬉しいことです。
 来年も映画祭を開催します。「三鷹に映画館ができればいいな」と夢を見つつ、映画がまちを元気にし、さらに映画文化にも貢献できればと実行委員全員が願っています。
 また来年も「三鷹コミュニティシネマ映画祭」にご来場ください。
三鷹オスカー「らいんなっぷ」紹介
http://cinema.mall.mitaka.ne.jp/24/47/
「三鷹フィルムコミッション」公式サイト(特定非営利活動法人みたか都市観光協会)
http://kanko.mitaka.ne.jp/filmcommission.html
※フィルムコミッションというのは、映画やテレビドラマ、CM、バラエティー、アニメ、ミュージックビデオなどロケ撮影を誘致、支援をして地域の魅力を様々な映像作品を通して発信し、まちを活性化していく組織のことです。例えば、兵庫県「竹田城跡」が10年前までは“無名の山城”だったのに、各種メディアで紹介され、高倉健主演『あなたへ』の舞台にもなったことから来訪者が20倍になったり、『半沢直樹』や『あまちゃん』のロケ場所に多くの人が訪れるようになり街が活性化したという話題がニュースになっていました。