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三鷹オスカー 一日だけ、復活!! 第6弾 『天井桟敷の人々』

映画祭レポート

 午後のプログラムは、午前のアニメーション映画から打って変わってクラシックの名作「天井桟敷の人々」です。  1945年公開。ナチスドイツの占領下という厳しい時代に、3年の歳月と16億という制作費、延べ1500人ものエキストラを動員して制作されたフランス映画の金字塔です。
 今回は、フランス映画人の映画魂をありありと見せ付けるこの映画を、何と35mmプリントでフィルム上映するという、三鷹コミュニティシネマ映画祭の映画祭魂をこれまたありありと見せ付ける企画となりました。
 3時間を超すクラシック映画の名作と言うことで、もしかするとそんなにお客様はこられないのかな…などと勝手に想像していましたが、最終的には客席はほぼ満員。上映が始まった後も次々とお客様がご来場されるという結果になりました。
 午前中の「西遊記」はお子様連れのお客様が多かったのですが、「天井桟敷」は1945年公開の映画と言うことで、ご高齢のお客様にも数多く足を運んでいただきました。映画自体の魅力と共に、本映画祭もすっかり認知された様子が伺えました。
 映写機の調整が予定よりも長引き、少し上映が遅れてしまうというトラブルもありましたが、映画祭スタッフの落ち着いた対応と、映写技師の方々の奮闘により、大きな混乱もなく無事上映が開始されました。  館内が暗くなり、上映が始まります。スクリーン映し出される犯罪大通りの大セット!そこに映画の音声と、カタカタカタ…という映写機の音がかすかに重なります。映写機と観客席が、同じ空間に存在するからこそ感じられる音です。映写機の音というのは不思議なもので、映画を見る上で雑音になるどころか、むしろ心地よく聞こえてきます。本映画祭の醍醐味といったところでしょうか。
 2台の映写機を交互に回して上映するのですが、その切り替えの際の「ガタン!」という大きな音には観客の方々も何人か驚かれていましたが(笑)その内、その音にも慣れたのか、皆さん映画に見入っておられました。
 モノクロスタンダードサイズの画面も相まって、ご年配の方には懐かしく、そうでない方にはレトロで新鮮な映画体験をしていただけたのではないかと思います。
 「天井桟敷」は2部構成、3時間の大作なので途中に20分の休憩を挟みます。その間、館内展示を皆さん思い思いにご覧になっていました。中でも注目は、当映画祭のスーパーバイザーである鶴田法男監督が提供してくださった私物のパンフレットコレクションです。古今東西の何十冊ものパンフレットが提供されており、皆さん見入られておりました。
 また、休憩中も映写機はやはり大人気で、本映画祭の影の主役といってもいい注目度でした。2台の映写機を間近で見ようと多くの方が映写機の周りに集まっていました。中には、熱心に映写機について質問をされている来場者の方もいらっしゃり、名実ともに三鷹コミュニティシネマ映画祭の顔となりつつあるようでした。
 上映終了後は、本映画祭の名物ともいえるシネマカフェのお時間。 解禁されたボジョレーヌーヴォーも取り揃えた充実のメニューに舌鼓を打ちながら、ご来場者、スタッフともに映画談義に花を咲かせました。  映画好きが集まる空間と言うものは、それだけで何だか嬉しくなるものです。映画を見るだけでなく、映画を語らい、共有するこの様な場をもっと増やせていければと思います。そして、いつかは三鷹に常設の映画館を…そんな気持ちを新たにした1日目でした。

text by 早田 隆嶺

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