映画祭レポート2015

レポート#01 11月21日(土)『時をかける少女』

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特集企画「アイドルは時空を超える①」平成27年度文化庁優秀映画鑑賞推進事業「午前十時半のワンコイン映画祭」

『時をかける少女』
 「カタカタカタカタ」。「ガシャン」。「カタカタカタカタ」。「ガシャン」。薄暗い劇場の中でこだまする映写機の音。気持ちよさそうにスクリーンを見つめている観客たち。ご年配の方々にとっては懐かしく、若者たちにとっては珍しい体験なのかもしれない35ミリフィルムでの上映。今年もご来場いただいたお客様方から「あの音が良かったね」という嬉しいお言葉をたくさんいただくことができた映画祭冥利につきる三日間でした。今年で6回目を迎えた「三鷹コミュニティシネマ映画祭」。ご来場いただきました皆様に、心よりお礼を申し上げます。

 さて、映画祭初日の1本目は今年のテーマの一つでもある「アイドルは時空を超える」にちなんだ『時をかける少女』の上映が行われました。監督は大林宣彦。主演に、原田知世。当時まだ10代だった彼女が一躍注目を集めるきっかけとなった今作。この1983年公開の作品が今回どのようにしてお客様に受け入れられたのか、場内を見ていてとても興味深いものがありました。
 お客様の年代層としては、どちらかというと40~50歳以上の方々が多く見受けられましたが、既に一度ご鑑賞されていらっしゃったのか、それとも今回が初見なのか、兎にも角にも、ただひたすらに熱い視線がスクリーンに注がれているように感じられました。

 携帯電話もない、今からおよそ30年前の日本の風景。舞台となった広島県尾道ののどかな景観の中で繰り広げられる高校生たちの初々しい学園生活。お客様方は、もしかしたらそんな画面の中に自らの若かりし頃の青春時代を見い出していらっしゃったのかもしれません。原田知世が劇中で「現在」から「過去」へと戻っていったのと同じように、観客席の皆様も、かつて今作を劇場へ見に行ったときの思い出や、当時のご自身の学園生活等々、それぞれの忘れられない過去のひとときへと「時をかけて」いっていたかのような……、そんな熱い眼差しがそこかしこから見受けられる上映でした。

 そして、今年も昨年に引き続いて出店された「シネマカフェ」。おにぎり、ポテトフライ、ビール、ボジョレーヌーヴォー、その他軽食を持って、場内でくつろぎながら上映を見ていらっしゃるお客様の姿も数多く見受けられ、三鷹コミュニティシネマ映画祭でしか味わえない、素敵な映画体験が、今年も広くお客様にご堪能いただけているようで、とても嬉しく思いました。

 「カタカタカタカタ」。「ガシャン」。「カタカタカタカタ」。「ガシャン」。35ミリフィルムでの上映が魅力の三鷹コミュニティシネマ映画祭。今日という日がお客様方にとって忘れられない特別なひとときになってもらえたのであれば、幸いです。

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text by 大久保 渉

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