上映会レポート2017

2017.10.9.三鷹コミュニティシネマ上映会レポート

2017年10月9日上映会レポート

10月9日祝日の月曜日、晴天の体育の日に行われた「三鷹コミュニティシネマ35㎜フイルムワンコイン上映会」。
映画好きが高じて昨年に引き続き今年もボランティアに参加させていただきました。

今年はゲストもない一日だけの黒澤明監督の特集上映で、入場券は当日券のみの販売とのことで少々心配でしたが、チケット販売開始時間前から会場ロビーに多くの方が集まられて安心しました。

上映スタッフの方々が最終チエックに余念がないShinkyo(新響)製35㎜映写機。移動用35㎜映写機として世界中に輸出された名機だそうです。16㎜映写機に較べると迫力が全然違います。スーパーバイザーの鶴田浩司さんのお話では、本日最初の上映はワイドスクリーン用のアナモフィックレンズと呼ばれる特殊なレンズを使用するのでピント調整が大変難しいとか。
二台の映写機に掛けたフイルムを上映中交互に違和感なく切替えるのも熟練の技です。『刑事コロンボ』の「秒読みの殺人」の影響で、コインを挟んでフイルム切替えのきっかけにしているのだとずっと思っていましたが、全然違うそうです(笑)。

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一本目は眠気も吹き飛ぶ痛快娯楽アクション時代劇『用心棒』。10時半上映開始にも関わらず盛況で何よりでした。小学生の頃、淀川長治氏の「日曜映画劇場」でクリント・イーストウッドの『荒野の用心棒』を先に観たので、後になってから観てそっくりなので驚いたことを思い出しました。(もちろんこちらが本家本元です)。全く古さを感じさせない面白さで、会場の皆様の興奮が暗闇でも感じられました。上映が終わって皆様楽しそうな表情で出て行かれるのを見てお手伝ができて本当に良かったと思った次第です。

午後からはヴェネチア国際映画祭グランプリ受賞で知られる『羅生門』。午前中から続けてご覧になる方も多くほぼ満席状況でした。以前BS放送で観た時は難しい言葉や聞き取りにくい台詞が多くて分かりにくいシーンもありましたが、バリアフリー活弁士・檀鼓太郎さんの名人芸の音声ガイドを聴きながら再見すると、画面に新しい発見があったり、細かい状況も良く理解できて大変参考になりました。目の不自由な方だけでなく映画をより一層楽しみたい方にも是非お勧めです。

会場には過去の三鷹コミュニティ映画祭のポスターやゲストの写真などが展示されていて、皆様興味深くご覧になっていました。

最後の上映作品は『酔いどれ天使』。三本連続でご覧になる方もいて、映画ファンの体力には圧倒されます。開場前の列を整理していると、皆様口々に「三船が若くて懐かしいわねえ」とか「久我美子がホント可愛かったの」など、公開当時にご覧になった方も多かったようです。私も超イケメンの三船敏郎はもちろん、髪の毛がある殿山泰司やクレンザーのCMのイメージしかなかった笠置シズ子の熱唱も印象的でした。主人公の志村喬がつぶやく「本当に強い人間とは」の台詞にすすり泣く方もいて、映画には何十年経っても人を感動させる力があるのだと今更ながら思いました。

今回は三本共半世紀以上も前のモノクロ映画でしたが、デジタルで再現出来ない何とも言えない微妙な色調と画像の情報量が圧倒的に多いのは驚きました。この上映会がプロジェクターではなく手間がかかる35ミリフイルム上映にこだわるのが少し理解できたような気がしました。

上映会も無事終わり、打上げで、ビールで乾杯。盛況に終わった嬉しさと寂寥感が味わえるのが、私がイベント好きな要因でしょうか。2010年から毎年三鷹コミュニティシネマ映画祭を成功させてきた実行委員会やスタッフの方々のご苦労を考えると頭が下がります。来年も是非お手伝いしたいと思った連休最後の日でした。

川口義仁

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