上映会レポート2018

2018.10.8三鷹コミュニティシネマ35mmフィルム ワンコイン上映会 上映会レポート  

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昨年に続き10月の3連休の最後の体育の日に、三鷹コミュニティシネマ35㎜フイルムワンコイン上映会のお手伝いに朝から三鷹南口の三鷹産業プラザへ。
一昨日の土曜日に京橋の国立映画アーカイブ(旧フイルムセンター)で『2001年宇宙の旅』の貴重な70㎜フイルム上映を観たばかりなので、三連休で二回も映画のフイルム上映会に参加することに。
最近では「映画はフイルムに限る!」「DCPなんてただのビデオ上映だ!」とかエラそうに吹聴して病膏肓に入る次第です。

今年も活躍する35㎜映写機。スーパーバイザーの鶴田浩司さんの話では、昨日映写機が一台急に動かなって大変だったとか。古くなって劣化した配線をハンダゴテで修理して何とか復活させたそうです。 最近のフイルムは素材が良くなって昔のように切れにくくなった分、歯車などに無理な力がかかってしまい、却って故障しやすいそうです。今はないメーカーの製品で、部品の供給もほとんどないとかでこれからのメンテナンスを心配されていました。

 

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上映開始は朝の10時半からですが、9時過ぎには多くの方がおみえになり驚きました。高齢の方も多いので今年から整理券をお渡しして、開場までロビーで待機していただくことに変更になり、追加で置いた椅子もほぼ満席になりました。

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平成最後の上映会は懐かしの喜劇映画特集。終戦間もない昭和30年代、日本映画全盛期の30年代前半、高度成長期の40年代の代表的な喜劇映画の名作を3本特集しました。
1本目は井伏鱒二原作の『本日休診』。毎年大好評のバリアフリー活弁士・檀鼓太郎さんの音声ガイド付き。役者の動作や背景の説明だけでなく、登場する昔の地名や鉄道まで名調子でガイドしてくれるので、目が不自由でなくても楽しめます。
終戦から十年も経っていない昭和27年の作品で、戦争で心が病んだ青年が出てきましたが、二枚目の帰還兵がデビュー当時の『釣りバカ日誌』のスーさんだと知って驚きました。
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一本の映画を上映するためには2台の映写機で交互に何度も掛け替える必要があるので大変です。映画ではフイルムの長さをフィート(1フィート=約30センチ)単位で測るのが標準で、『本日休診』のフイルム缶に表記されている全5巻で合計8771.1フィートとありますが、フィートで表示されていても90で割れば上映時間が何分かがわかるので覚えておくと便利です(ちょっと自慢)。
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映写が終わったフイルムは1巻ずつ巻き戻して元通りに。映写担当が汚れをチェックして、一コマ一コマ丁寧に清掃していました。アナログ感全開で感動します。
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午後からは大ヒットして24本もシリーズ化された駅前シリーズ第1弾の『駅前旅館』。
昔テレビで何本かシリーズを観たことがありましたが、第一作だけタイトルに喜劇と付かないのが面白いです。前出の鶴田さんのお話では、映画に何度も出てくる当時の上野駅は、スタジオに作った大セットだそうで、公開された昭和33年当時の映画業界がいかに盛況だったかがよくわかります。東宝の怪獣映画に脇役で必ず出てくる沢村いき雄の登場は、特撮ファンにはたまりません。
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最後の1本は『喜劇・女は男のふるさとヨ』。2本続けて森繁久彌が堪能できて楽しいです。言うまでもなく日本を代表する名優ですが、ちょっとエッチで頼りない中年男の演技も最高でした。
昭和46年になるともうそんなに大昔の映画だとは思えません。中村メイコを見るとテレビアニメの『ドカチン』を思い出す世代です。
先輩ダンサー役の女優さんもどこかで見たことがあると思っていましたが、金鳥サッサの園佳也子だったのが懐かしかったです。
個人的には昨年観た『星砂物語』にも出演していたあの緑魔子が、最初にコントみたいな酷いメイクで登場したのが強烈でした。
松竹映画らしい人情喜劇で、倍賞美津子のラストシーンは寅さんシリーズで毎度おなじみのパターンでした。さくらはお兄ちゃんだけでなく妹までフーテンだったのですね。

上映会も無事盛況に終わり一安心。会場のお客さんも口々に懐かしかったと満足そうに帰られるのが嬉しかったです。
アンケートを拝見すると、かつて三鷹にあった伝説の名画座「三鷹オスカー」によく通っていた方や、60年前に公開された『駅前旅館』を当時十代でご覧になった方もいらして、若い頃に見た懐かしい映画を気軽に観られる映画会を希望されている方もが多かったようです。これから中高年向けに懐かしの映画会の需要は結構あるのかもしれません。
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出張上映の老舗、鈴木映画さんのスクリーン設備の撤収のお手伝いをしてから、打ち上げでは、二度浸け禁止の美味しい串揚げでビールを頂きました。来年また同じ場所で打ち上げがしたいと思いながら帰宅した楽しい一日でした。

川口義仁

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